2018年8月17日金曜日

スリランカ嫁姑戦争

どこの国でもいつの時代も、嫁姑バトルは無くなることのない永遠の女の闘いではないでしょうか。

私はここ数ヶ月スリランカ人の嫁姑戦線を戦場から遠く離れた場所で眺めておりました。自分とは無関係だから口をはさむのも無粋なことだと無視していましたが、大将(姑)や、うっかり八兵衛から逐一報告が入るため、やむなく助言や援助などしてしまいました。
はい、ご想像の通り大将とは我が家のお手伝いさん(60代後半)です。対戦相手はお手伝いさんの息子の嫁(30代前半)。
うっかり八兵衛?言うまでもないでしょう、私の夫(噂好きな太ったスリランカ人)、通称メタボおっさんのことです。お手伝いさんの話(シンハラ語)を訳してくれます。

登場人物
姑 : 我が家のお手伝いさん。口達者。親戚の間ではボス的存在。夫とは別居。
息子 : お手伝いさんの息子。自宅で紅茶を栽培し工場に卸している。気が弱い(らしい)
嫁 : お手伝いさんの息子の嫁。気が強い(らしい)
孫 : 小学生。天真爛漫。お手伝いさんに似てかなり可愛い(らしい)
メタボ : 嫁姑戦争の状況を報告してくる人物。たまに間違った情報を仕入れてくる。


さて、時は2017年も半ば、お手伝いさん(姑)が毎日のようにどこかへ長電話するようになりました。料理中でも掃除中でも電話が鳴るとすっ飛んでいくのです。
こりゃ、彼氏でもできたかな。
でも愛をささやくというよりは、お経を唱えてるような低い声。
そのうち、「マダム、携帯通話のプリペイドカード買ってきて」と頼まれることが多くなり、休暇申請も増えてきました。なにが起こってるのかは秘密にしたいようで教えてくれません。(他人のことは何でも知りたがるくせに)

2017年も終わりに近づいたころ、やっとこ教えてくれました。

『以下、姑側の怒り』
息子の嫁が家事もしない、嫁らしいこと何もしないんですよっ!工場で働き始めて、朝はパンで夜は揚げパンとか買ってくるだけ。社員割引で冷蔵庫とかテレビとか買ったから自分が一番偉いと思ってるのよ。
働いてても家事をしないから無理矢理仕事辞めさせたわよ!でも家にいてもやっぱり家事はしないのよね。あんな嫁!
息子(嫁の旦那)の稼ぎが悪いって文句たらたら言うだけで何もしないし。
最近は私の息子を追い出して、家を自分のものにしようとしてるのよ。あの家は私の名義なのに!いつ乗っ取られるか分からないから頻繁に家に帰らないとねっ!


嫁の言い分は分かりません。

う~ん。どっちもどっちだよね。
私は嫁に同情ぎみなんですが、それを言うと姑(お手伝いさん)の怒りが激増しそう。
私 「それにしても、嫁に仕事辞めさせるなんて馬鹿なことをしたね。」
お手伝い 「それは親戚からも『馬鹿なことしたな』って言われました...。」

嫁が稼いで夫が家事すればいいではないか、と言ってみたけど
姑の怒りはそんな次元を通り越して「私の家が乗っ取られる!」と怒りまくってます。
150kmの距離を往復300km、60代の姑が怒りのフルパワーでコロンボから田舎までバスで毎週末とんぼ返りする。ものすごいものすごーい体力である。

今年に入ってから警察や裁判所でなんやかんや忙しそうです。息子のことなのに。

家の乗っ取りは阻止できたが、嫁は娘と実家に戻り別居中。
息子は毎月嫁の実家の裁判所まで行き離婚まで数年かかるらしい。
息子は子供と離れてしまい、かなり落ち込んでいるらしい。


お手伝い「息子が不憫で見てられないよ。娘を可愛がっていたからね。気落ちして自殺しかねないから毎日電話して、頻繁に様子見に帰らなきゃ。嫁?知らないよあんなアバズレ。」

それでまた私が携帯通話のプリペイドカードを買ってあげ(だって手持ちの金がないって言うんだもん)、毎週末150kmの距離をとんぼ返りする。

超人的な体力に感心してそれでも年齢が年齢なので、休みをちょっと多めにあげたりしてたら、メタボおっさんに「休暇多すぎ!今月は半分近く休暇あげてる!お前ちょっとなめられてんじゃないのか!」と関係ないところでこっちの夫婦喧嘩まで勃発。

最近やっと落ち着いてきたと思ったら、
お手伝いさんが、息子のことでお寺に祈願とお布施のダーネを毎月することにしたらしく、また頻繁に実家に帰ってます。ダーネ(大勢の人に食事をふるまうこと)で徳を積むとやらで、お坊さん達に毎回ふるまっているようです。
「マダムももしよかったらいくらか寄付しない?」とダーネ用の食費をねだられましたが、「あなたの携帯電話料金を払ってもう十分に寄付いたしました。」とお断りしました。

お手伝いさんには言わないけど、祈るよりもあんたの息子に喝入れた方がいいんじゃないのと思ってるところです。言わないけど。

祈祷の期間は8月で終わりだからもう頻繁に実家には戻らないし休暇もいつも通りだからと言ってたところで、今度はお手伝いさんのお母さん(90歳)の具合が悪くなりました。

我が家のお手伝いさん片道150kmのとんぼ返りが終わるのはいつになることでしょう。


このままいっそお手伝い業引退する?って聞いてみたら、即否定されました。「大丈夫!絶対辞めない!」って。
そのうち我が家が彼女の実家になりそうな予感がします。




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